こんにちは、ワブルトです。
今回紹介する本は、綾崎隼さんの著書『死にたがりの君に贈る物語』です。
本作は、2021年に「読書メーター」読みたい本ランキング単行本部門で第1位になったこともある作品です。
本屋で見かけた時に表紙の綺麗さとタイトルに惹かれ手に取りました。
こんな方におすすめ
- あまり本を読むのに慣れていない方
- 文章から推理、考察するのが好きな方
- スッキリした読後感が好きな方
- 軽めなミステリ作品を読みたい方
ページ数が377Pあるのですが、あまり活字を読むのに慣れていなかった僕でもスラスラ読めてもっと読みたいとさえ思える素晴らしい作品でした。
僕も考察しながら本を読むのが好きのなで、本作に数人の登場人物が出てくるのですがそれぞれの関係性や隠し事などを考えながら読んでいました。
あ、考察は好きですが当たるとは言ってませんからね笑
個人的にはこれが一番おすすめポイントですが、読み終わった後の読後感が良いところです。
むしろ本の帯にも書かれているのですが読み返したくなるような本になっています。
内容もゴリゴリなミステリではなく、どちらかと言うと読みやすい青春ミステリになっています。
それでは本の内容について少し紹介します。
綾崎隼先生について
まずは本作の作者の綾崎隼先生について少しご紹介させて頂きます。
綾崎隼(あやさき•しゅん)先生は2009年、『夏恋時雨』で第16回電撃小説大賞選考委員奨励賞を受賞し、題名を『蒼空時雨』に改題して2010年メディアワークス文庫よりデビューされています。
著作数も40冊と数多くあり、「花鳥風月」シリーズや「君と時計」シリーズが特に人気作となっています。
僕も綾崎先生の著書は今作が初なのですが、他の作品もこれから読みたいと思いました。
内容とおすすめポイント
本書のあらすじ
全国に熱狂的なファンを持つ、謎に包まれた小説家・ミマサカリオリ。しかし、人気シリーズの完結目前、インターネット上で訃報が告げられた。奇しくもミマサカの作品は厳しい批評にさらされ、更にはミマサカに心酔していた16歳の少女、純恋が後追い自殺をしてしまう。幸い、彼女の自殺は未遂に終わるものの、純恋は「完結編が読めないなら生きていても意味がない」と語った。やがて、とある山中の廃校に純恋を含む七人の男女が集まり、そこで絶対に起こるはずのない事件が起きて……。
引用:『死にたがりの君に贈る物語』帯より
本作は群像劇になっており、ミマサカリオリの小説になぞらえて七人の男女が集まるところから物語が始まります。
登場人物たちに共通するのはミマサカリオリのファンで物語の結末を見たがっていると言うことです。
物語とは全く関係ない余談ですが、僕ももし現在連載中で未完の作品が読めなくなるのは悲しいので作家さんには体調に気をつけて創作活動して頂きたいです。
話が逸れましたが、七人の男女にはそれぞれに事情を抱えていて共同生活する上でも皆の考え方が三者三様です。
その中でも純恋は現実世界に戻っても生きる意味がないと思っていせいか、辛く過酷な廃校生活でも普通に生活していくのは読んでいて逞しさすら感じました笑
もちろん皆が皆共同生活に馴染める訳もなく仲間同士で揉め事が度々起こります。
そんな中、突如予想していなかった問題が起きたことがきっかけで参加者の関係性がさらに悪化していく展開になります。
ここから先の物語はご自身で読んでみて欲しいと思います。
おすすめポイント
先にも述べましたが、やはり物語を全て読み終えた後の読後感が良いです。
本書はプロローグ、第1章〜最終章(7章)、エピローグ、あとがきという流れですがとても上手いこと話がまとめられています。
物語の終わり方はその作品が良作になる重要な要素だと思っているので、その点においても僕は好きな作品でした。
各章ごとに分けられていて、初めにキャラの紹介文があったり、主な場面はほぼほぼ廃校が中心になっています。
なので、キャラが覚えづらいとか背景がわかりづらいといったことにもならなかったので、小説初心者の僕でもサクサク読み進めていくことができました。
これから読もうと思われた方や、もし途中で読むのが止まっている方は一度最後まで読んで見みください。
また、ミステリにはありがちかと思いますが結果が分かったらなかなか読み返そうとはならないと思います。
ですが、この作品は結果が分かった上でもう一度読み返したくなる作品でした。
僕は今のところ二度読み返しました。
ミステリと言っても誰かが死んでいく殺人ミステリではなく、謎を抱えた登場人物たちと共同生活していく上で各キャラの秘密が明らかになっていく青春ミステリなので、殺人物が苦手な方にもおすすめです。
しっかり伏線もはられていたりするので考察しながら読み進めてみてください。
おわりに
まずはここまで読んで下さりありがとうございました。
小説の書評は初なので僕の拙い文章では作品の良さを全く紹介しきれていないと思いますが、本当に素晴らしい作品です。
何か本を読もうと思った時に迷ったら是非読んでください。
これからも綾崎先生や他の先生方の作品紹介などして行きたいと思います。
それでは皆様に良い本との出会いがありますように。
コメント