こんにちは、ワブルトです。
今回ご紹介する本は「この本を盗む者」はです。
本作は2021年本屋大賞ノミネート、「キノベス2021」第3位などの賞を受賞しています。
こんな方におすすめ
1冒険ファンタジーが好きな方
2本に没頭するのが好きな方
3本の一気読みが苦手な方
本作は本の呪いにより主人公が本の中の世界に誘われそこから抜け出すために、本を盗んだ犯人を捕まえていくといった内容の冒険ファンタジーとなっています。
複数の世界が登場するので、冒険物やファンタジー物が好きな方にはおすすめです。
本の構成的に本作は没入感が強めの作品になっています。
なので、本に没頭したい方やキャラや背景などを想像するのが得意な方は好きな作品だと思います。
本作は全340Pでそんなに長くなく、全5話で構成されているのであまり一気読みなどが得意でない人でも読みやすい作品になっています。
1話1話の内容も十分にあるので自分のペースでゆっくり読みたい人にも向いていると思います。
主人公は本が好きではないが、曽祖父が本の蒐集家で一家が代々その書庫を守っているといった設定も個人的には好きな設定です。
それでは内容の紹介をしていきます。
深緑野分
まずは作者の深緑野分さんについて少し紹介します。
深緑さんは2021年に「オーブランの少女」で第7回ミステリーズ!新人賞かさくに入選し、2013年に短編集で単行本デビューされています。
その後2015年に長編小説「戦場のコックたち」で第154回直木賞候補、16年本屋大賞7位、第18回大藪春彦賞候補、「ベルリンは晴れているか」では第9回Twitter文学賞第1位、19年本屋大賞第3位、第160回直木賞候補、第21回大藪春彦賞候補など多くの賞を受賞しています。
あらすじ
「それは、深冬ちゃんが〝今読むべき本に呼ばれた〟んじゃないのかな」
書物の蒐集家を曽祖父に持つ高校生の深冬。父は巨大な書庫「御倉館」の管理を務めるが、深冬は本が好きではない。ある日、御倉館から蔵書が盗まれ、深冬は残されたメッセージを目にする。〝この本を盗む者は、魔術的現実主義の旗に追われる〟本の呪い(ブックカース)が発動し、街は物語の世界に姿を変えていく。泥棒を捕まえない限り元に戻らないと知った深冬は、様々な本の世界を冒険していく。やがて彼女自身にも変化が訪れてー。
引用元:「この本を盗む者」は帯より
主人公の曽祖父である御倉嘉市は全国的にも有名な本の蒐集家であり評論家でした。
分からないことや、悩みがあればまずは御倉さんに聞けと言われるくらいの有名人で読長町の真ん中に地下2階から地上2階まである巨大な書庫「御倉館」が建っています。
昔は誰しもが入ったことのある読長の名所でした。
そのコレクションは娘のたまきによりますます増えていきます。
ある時御倉館の稀覯本が一度に二百冊以上盗まれる事件が起き激昂したたまきは御倉館を閉鎖します。
その時にたまきが建物のあらゆる場所に警報装置を付け御倉一族以外は入ることも本の貸し出しも出来なくしました。
たまきが亡くなった後である噂が流れました。
それはたまきの仕掛けた警報装置は普通のものだけではない、愛する本を守ろうとするあまり狐神に頼んで、書物に魔術をかけたというのです。
現管理人はたまきの子供の御倉あゆむとひるねの兄弟が引き継いでいます。
主人公はそんなあゆむの娘で高校1年生の御倉深冬です。
深冬は入院しているあゆむの代わりに叔母のひるねの世話をすることになります。
ひるねは御倉館の書物を全部読んでいる程の読書家ですが、放っておけば1日何時間も眠り続けるといった変わった一面も持っています。
深冬は昔からひるねの事が苦手です。
ご飯を届けに行った深冬ですが案の定ひるねは全く起きません。
ご飯を置いて帰ろうとした時ひるねの手の中に紙があるのを見つけます。
それには〝この本を盗む者は、魔術的現実主義の旗に追われる〟と書かれていた。
気味が悪くお札を落とすと深冬と同じ制服を着た少女がそれを拾います。
少女は自分のことを「真白」と名乗りました。
そして、真白は深冬に泥棒が来て呪いが発動したから本を読まないと帰れないと言います。
真白は深冬をある書架の前に連れていき、「繁茂村の兄弟」という本を読むように促しました。
いつもなら本に体が拒否反応を起こしそうになる深冬ですが、周囲の状況のせいか無性に本に惹かれゆっくりとページを開いていきます。
少し読み進めたとこで深冬は家に帰ろうとしますがそこで現実世界がおかしくなっている事に気付きます。
改めて真白に本の呪いのこと、泥棒を捕まえると元の世界に戻ることを聞き深冬は半信半疑ながら泥棒を捕まえるために奮闘していきます。
おわりに
ここまで読んでくださりありがとうございます。
本が嫌いな深冬は果たして本の世界の泥棒を捕まえることができるのか、また本に掛けられた呪いを解くことはできるのかは是非ご自身で確認してみたください。
ファンタジー系の小説を読んだことない人も初めての作品にぴったりな一冊だと思います。
それでは皆様に良い本との出会いがありますように。
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